(台北 7日 中央社)6月に入り、台湾ではいよいよ卒業シーズン。6月第1土曜のきょうは台北市内の国立台湾大学でも卒業式が行われた。卒業生代表として挨拶に立った日本人留学生の大西翔さんは、台湾で学んでいるうちに助け合いと社会貢献の大切さを実感したと強調した。

日本での進学の道を選ばずに5年前、大学教員の父親とともに来台した大西さん。当初中国語はできなかったが、わずか10カ月で華語検定の中高級に合格、台湾大学中国文学科に入学した。

入学当時は中国語で行われる授業について行けるように猛勉強したが何度もくじけそうになった。また、留学生は特別待遇を受けて入学し、地元学生よりレベルが低いと見られがちなのに対して、大西さんは悔しく思い、留学生の鑑となれるよう自分を励ましてきた。

大西さんは台湾大学の豊富なリソースを利用し、幅広く様々な知識を身につけるよう努めたが、学業以外にも多くの課外活動に参加。工事現場で建材を運んだり、ネパールの孤児院でボランティア活動をしたりしながら、バトミントン部で活躍し、台湾大学日本人会の幹部も務めた。

大西さんは台湾で学んだ経験が自分の物の見方を大きく変えたと語る。以前は自分さえ頑張れば成功を手にできると考えていたが、授業のノートを取ることひとつにしても友人の助けが欠かせない留学生活を送っているうちに、人生の一歩一歩全てが他の人の助けを借りなければ成り立たないと気がついた。また、ボランティア活動を通じて、人生の意義とは個人の成功だけではなく、自分が得たものを社会へ還元し他の人に幸福をもたらすことだと考えるようになった。

卒業後は日本の大手銀行に就職が内定している大西さんは、この留学で経験したことや感じたことを多くの人たちと分かち合い、台湾の美しさと優しさをもっと多くの人々に知らせていきたいと誓った。

(陳至中/編集:谷口一康)